4度目の優勝 › オール一本勝ちで連覇

オール一本勝ちで連覇

2014年09月29日

今大会の勝ち上がり方が特別に満足だったわけではないだろう。1回戦は北朝鮮選手の失格で不戦勝。ロンドン五輪では同じ北朝鮮のアン・グムエに初戦で敗れただけに「人は違うけどロンドンの悔しさをぶつけたかった」と雪辱できずに残念がった。決勝は得意の小外刈りで貫禄の一本勝ち。「得意技を出せて良かった」と語ったものの「他の2試合は反省も残る」と厳しく評価した。

 それでも中村が笑えるのは、この2年間の道のりのおかげだ。「北京で負けてから全てを懸けてきた」というロンドン五輪を不本意な形で終え、同年12月に左膝前十字じん帯再建手術を受けた。リハビリする中で知り合ったのはサッカーやソフトボール、スキーなど他競技の選手。「カバディも見に行った」と見聞を広め「凄くプラスになっている。いろんな考え方を聞けるので成長できた」。交友関係のみならず自家菜園やパン作り、日曜大工にまで取り組んで視野は大きく広がった。

 4年前と同じアジア大会のタイトル。しかし「前回とは違う。重みがある。手術を乗り越えて今があるから」という。大腿部の腱を移植し、踏ん張りが利くようになった左膝の強さ。まだ完全ではない組み手や技のスピード。「一つ一つ勝っていってリオにつながればいい」。笑えるようになった女王は2年後に向けて代表戦線に戻ってきた。



Posted by 三次正人 at 12:09│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。